本田先生が女性の健康などをテーマに語ります

本田 由佳 Yuka Honda

健康科学者/メディカルアナリスト/博士(医学)
慶應義塾大学SFC研究所上席所員、順天堂大学医学部非常勤助教ほか。順天堂大学スポーツ健康科学部を卒業後、㈱タニタ開発部 研究員等を経て現職。女性や子どもの健康管理について研究している。

SDGsとは?

私が健康機器メーカーを退職し、フリーの研究者として活動を始め、一番最初にいただいたお仕事が、環境省さんからのご依頼で、生物多様性マガジン「Iki・Tomo」の取材とイベント出演でした*1
この仕事をきっかけに、私自身、健康×地球環境について考えるようになりました。私が独学で学んでいた2013〜2018年の間に、日本を含めた世界は、50年、100年先の地球と人類の存続を真剣に考える社会へと大きく変化してきています。
皆さんは、SDGs(エス ディージーズ)という言葉をご存知でしょうか。
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2015年に国連サミットで採択された「持 続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2016〜2030年までの国際目標です*2。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、「地球上の誰一人として取り残さない」ことを誓っている国際的共通言語です。途上国の貧困などの開発課題のみならず、気候変動やジェンダー、そして私たちが関わる健康のことなど、先進国も対象とした社会課題の解決を目指している取り組みです。日本でも、政府・自治体・民間企業・NGO・学術機関・市民等、様々なステークホルダーのパートナーシップによって、達成することを目指しています。今年はG20、ラグビーのワールドカップもあるため、“SDGsを考慮した薬局”を検討・確立していくことも大切なのかもしれません。

SDGsと女性の健康

SDGsは17のゴールと169のターゲットによって構成され、これまでの持続可能な社会づくりに関する様々な取り組みの集大成となっています。
先進国も途上国も、政府も企業も全てが自主的に取り組む2030年の目標です。ゴール3は「全ての人に健康と福祉を」、ゴール5は「ジェンダー平等を実現しよう」ですので、女性の健康課題に取り組んでいる企業や団体は、ゴール3と5に貢献していることになります。

17のゴールをかたどったSDGsのロゴマーク

医療施設として初!
「ジャパンSDGsアワード」特別賞受賞!

 「ジャパンSDGsアワード」は、SDGsの達成に向け、優れた取り組みを行っている企業・団体等を表彰するものです。この度、産婦人科舘出張佐藤病院と共に、女性の健康支援という切り口(ゴール3と5)から、病院の取り組みをSDGs目標にあてはめて体系化したことが、第2回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しまし た*3。医療施設での受賞は佐藤病院が初めてです。全ての女性が健康である社会づくりに、女性の生涯にわたる専門病院としてSDGsに貢献する考えが評価され、認められたことは、薬局でもSDGsの面から整理・体系化をしていく価値と可能性があるということではないでしょうか。 来年はSDGs五輪の年です。ぜひ、薬剤師の皆様も、SDGsについて、知識を深め、考えてみてください。

*1.Iki・ToMo.2012.vol02
http://www.biodic.go.jp/biodiversity/possibility/tools/files/ikitomo_02.pdf
*2. SDGsアクションプラン2019(持続可能な開発目標(SDGs)推進本部)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sdgs/pdf/actionplan2019.pdf
*3.産科婦人科舘出張 佐藤病院のSDGsの取組(外務省HP)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/award2_14_satoubyouin.pdf

レシピ考案・栄養計算:管理栄養士 矢部マリ子氏
監修:本田由佳